消化器内科

診療内容

専門医が胃や腸など消化器に関する病気の診察・治療を行います。必要に応じて各種検査も実施いたします。

  • 内視鏡診断
  • 機能性胃腸症(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群)
  • ピロリ菌の診断・除菌療法・除菌判定
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは

我が国のガイドラインによると、器質的、全身性、代謝性疾患が無いにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの腹部症状を呈する疾患と定義されています。
すなわち、胃カメラなどやっても何もないのに、胃の調子が悪い方がこの病気と分類されます。

症状

代表的な症状として、胃もたれや早期満腹感、痛みや灼熱感(焼ける感じ)などがありますが、日々変わる事もあります。

治療方法

治療には、患者さんの優位な症状を聴取しながら内服を決定していきますが、単剤では効果が少ないこともあり、なかなか症状が改善しない患者さんもしばしば認めます。

通常、内視鏡検査など行い、症状の原因となるような病変が無いときにこの疾患と判断されますので、症状の改善が無いようなら検査をお勧めします。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは、腹痛もしくは腹部不快感とそれに関連した便通異常が慢性発生性に持続し、その症状が通常の検査では異常が認められないものとされます。
全国民のこの疾患の有病率は約14%(7人に1人)と言われ、比較的高頻度に見られる疾患です。

症状

1週間に1日以上おこる腹痛で、排便の形状は頻度に関連するのが特徴と言われます。
採血、便潜血や内視鏡などを行い、症状を起こすような病変が無いことが本疾患を診断する場合もあります。

治療方法

内服治療の他、生活習慣(偏食、食事量のアンバランス、夜食、睡眠不足、ストレス)の改善を心掛けます。
この中で、食事療法は高線維食を心掛けたり、香辛料やアルコールを控えたりするのが重要と言われています。

ピロリ菌除菌療法

ピロリ菌除菌療法とは

ヘリコバクターピロリと言われる細菌が引き起こす様々な疾病に対して、除菌療法を行います。
代表的な疾患としては、慢性胃炎や胃十二指腸潰瘍があります。

感染の有無については、胃内視鏡が必須で、その上で上記のような感染を疑う所見があれば調べ、結果陽性なら除菌療法を行います。

検査方法

画像:ピロリ菌検査について

まず、ピロリ菌に感染しているかを血液や尿による抗体測定や、糞便による抗原検査、内視鏡時に採取する組織を用いた検査(迅速ウレアーゼ試験)、呼気による検査(尿素呼気テスト)などにより診断を行います。

また、核酸増幅法(PCR法)もピロリ菌の診断に保険収載されたことから、当院でも導入しております。
スマートジーン®H.pylori G(ミズホメディー社)を用いて、胃の内視鏡検査時に得られる胃内容液をPCR法で調べることにより、ピロリ菌に感染しているか、およびその菌にクラリスロマイシンという抗菌薬が効くか、が約50分でわかります。

これにより、内視鏡検査当日に適切な除菌薬の選択が可能となっています。
このPCR方は胃の内視鏡施行時に行いますが、検査時間が必要ですので、希望される方は事前にお申し出ください。

治療方法

陽性が確認された場合は除菌療法を行いますが、その治療方法は1週間の除菌薬内服です。

除菌判定

除菌判定は、除菌終了後1ヶ月以上を経て行われます。

当院では除菌判定の呼気テストを院内で測定いたします。結果はおよそ5分程度で分かりますが、呼気テストが20分程度かかりますので、時間に余裕をもって空腹でご来院ください。
(当日結果が出ますので、2度来院する手間はございません。)

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

下痢、血便、粘血便、腹痛という特徴的な症状を有する大腸炎で、慢性・反復性を示す難治性の大腸炎です。

我が国でも近年増加傾向で、世界で2番目に患者が多いとされています。
比較的若年(10歳代後半~30歳代)に多いと言われていますが、高齢者発症も珍しくありません。

検査方法

診断は、問診・診察に加え、採血や画像検査で行います。
画像検査は、主に大腸内視鏡検査が用いられます。その際の特徴的な画像と、組織学的検査などで診断が得られます。

治療方法

治療は、内服によるものや坐剤・浣腸製剤などのような肛門から挿入するものがありますが、その他生物学的製剤と言われる注射などで行う治療もあります。
当院でも、レミケード®やエンタイビオ®などの生物学的製剤導入しており、外来での治療を積極的に行っています。

クローン病

クローン病とは

クローン病とは、口から肛門までの全消化管に起こりうる慢性的な腸管の炎症を有する原因不明の消化管の炎症性疾患です。

症状

腹痛や下痢が主な症状ですが、発熱や体重減少、栄養障害、痔瘻などを伴うことも多いです。
消化管外の症状としては、眼科、皮膚科領域などが知られています。
発症年齢は10歳代後半から30歳代前半で、男女比は2:1で男性に多いと言われます。

検査方法

検査は、問診、診察に加え、血液検査や画像検査で行います。
内視鏡はその診断のためや効果判定のためにも大切な検査で、適宜行われます。

治療方法

治療には、内服薬の他、重症度によって生物学的製剤と言われる注射などで行う治療もあります。
当院でも、レミケード®やエンタイビオ®などの生物学的製剤導入しており、外来での治療を積極的に行っています。

また、食事療法も重要で、低脂肪や低残渣の食事や成分栄養剤の服用も推奨されています。
繰り返し粘膜傷害などをおこすことによって、狭窄・閉塞などにより手術に至ってしまう場合もあり、治療を長期にわたって行うことが必要です。